1. 概要

通常、音節は「母音を中心とした音の塊」が一般的な定義とされているが、/l/, /m/, /n/は子音だけで一つの音節を作ることがある。これを音声学用語では音節主音的子音 (Syllabic Consonants)と呼ぶ。

単語の中に /əl//ən//əm/ という音節がある場合、schwa(/ə/) が発音されず、

/l/、/n/、/m/ が子音のまま発音された状態で、音節の核を担うことがある。

例えばappleは発音記号で書くと/ˈæpəl/という2音節の単語であるが(/æp/ + /əl/)、

/əl/のシュワは発音されないことが多く、事実上appleのPからLの音へダイレクトで移動することになり、発音記号に直すと/ˈæpl/となる。

実際Oxford Learner’s Dictionariesの発音表記は/ˈæpl/) Cambridge Dictionaryでは /ˈæp.əl/だが、”ə”だけフォントサイズが極少になっている

音節のルールに従えば/ˈæpl/は1音節になるような気がするが、英語話者の認知として、ここの/l/は母音に近い性質の音に聞こえるため、これで2音節と数える。

final /ˈfaɪnəl/ → /ˈfaɪnl̩/ mission /ˈmɪʃən/ → /ˈmɪʃn̩/ blossom /ˈblɑsəm/ → /ˈblɑsm̩/

(音節的な子音を示すために、IPA(国際音声記号)では子音の下に小さな縦線 [̩] を追加する。例えば、**[l̩]、[n̩]、[m̩]、[ŋ̍]**などが音節的な子音を表す記号。